原風景が「仕事」に。気づいたら「起業」していた?!
◆事業のご紹介
「自然と暮らす。」「四季を暮らしに。」
種をまき、育て、刈り取り、泥藍を作り、染める。
先人の知恵と自然の恩恵を、天然藍染めとボタニカル雑貨という形にして、四季折々の魅力や自然と暮らすことの幸せを、お届けしています。
◇天然藍染製品制作販売。オーダーメイド、お持ち込みの藍染も承ります。
(製品例)ストール、バッグ、衣類、テーブルセンター、アクセサリーなど。
◇ボタニカル雑貨制作販売。自家製ドライフラワー素材もお分けしています。
(製品例)季節のリース、スワッグ、瓶づめ、ボタニカルフレームなど。
◇ワークショップ
(体験例)藍染体験、たで藍の葉っぱたたき染め体験、リース・スワッグづくりなど。
〇常設販売のお店
安心市場さくらっこ(「加護坊温泉さくらの湯」お隣)、天然酵母パンの店『SAWA』
しあわせ美じゅつ店、喫茶『さとのわ』、陶芸ギャラリーうつわ村、長者原SA(上り)
◆QandA
―福祉のお仕事に長く携わっていたそうで。福祉のお仕事(障がい者支援)と、ボタニカル
製品を作ることって、接点が無いように思うんですが?
障がい者支援施設では、皆と色~んな物を作ってたんですよ。
「障がい者の人達が社会とつながっていくためには、どうしていけば良いんだろう?」
っていうのが、福祉の仕事をしていた頃のテーマでした。その当時は、「少しでも自立
に近づけるような活動」や「地域社会と共生のための活動」って、まだ少なくて。
朝から夕方まで、ずーっと施設内で過ごすことが多かったんですね。
施設は、市街地から離れた自然豊かな場所にありまして。その自然の中に在るものと、
自分達それぞれが出来る力で、何かをやってみよう、と思い。散歩の時に、皆で集めた
松ぼっくりや木の実、葉っぱを使ってリースやキャンドルを作ったり、牛乳パックを使
った紙漉きで紙を再生し、ハガキや名刺なんかも作って。
一緒に作ることが、皆、すごく楽しそうで。でも、私が一番楽しんでいたかも(笑)。
施設の職員さん達からは、「私にも作って。」「次はどんな作品を作るの?」と好評
で。「福祉祭りに出してみようよ。」と言って頂き、出店販売したり、生協さんに置い
てもらうようになったり。
身近な植物を使って何かを作ることで、”社会とつながっていく”というテーマが、実
行できるようになっていったんです。
―リースやスワッグ(花や葉を束ねて壁にかける飾り)を作ることは、もともと趣味
だったんですか?
趣味っていうより、生活の一部だった。幼少期の家庭環境から、休日には教会に行った
り、教会のイベントにも参加したり。特別に意識することなく、身近にある植物を使っ
て、リースやスワッグを作ってました。今は、スローライフとかナチュラルライフとか
言われているけど。それらが流行る前から、ほんっと、ナチュラルな暮らし方でしたよ
(笑)
―施設の皆さんと始めたボタニカル製品作りから、”これで起業しよう”と思った?
”起業”っていう言葉は、頭には全然無かったです。福祉施設でのお仕事は、支援制度
も変わり落ち着いてきました。もう、後任に引き継いでも大丈夫だなと考え始め。
それと同じ頃に、”何か”自分でやってみたいなと思うようになったんです。
でも、その”何か”は”仕事”とは捉えてなかったです。
―起業は考えてなかった。けれど、起業塾に参加してみたのは、何故?
ちゃんとした理由が無くて怒られるかもしれないけど(笑)、公民館にあった起業塾
のチラシをたまたま目にして。漠然と「あ~、こんなのがあるんだぁ。出てみようか
なぁ。」って思って参加したんです。5回に渡る講座だったですかね。全部受講したけ
ど、”起業する”という気持ちには、なってなかったです。
―イベント出店するようになったキッカケは?
初参加した起業塾に取材にみえていた大崎タイムスの記者の方から、「田尻ハンドメイ
ドフェスタ」を教えて頂き。自分が住んでいる近くで、そんなイベントがあるんだって
初めて知り。自分が、そこで何を出品したいとか、な~んにも決まっていないのに、翌
年にはそのイベント主催者の方のところに挨拶に行ったんですよ!今、振り返ると、
無謀というか、「何やってんの!?」って感じですよね(笑)
だけど、そこから交流が出来まして。ハンドメイドフェスタのお手伝いをするように
なりました。そのイベントへの出店は出来ていなかったけど、仙台でハンドメイドマル
シェがあるよって教えてもらい。それに初めてイベント出店しました。
その時の出店結果は、参加料8,000円を支払って、売上げは500円!もう、笑っちゃう
しかない(笑)
―始めはボタニカル雑貨制作だったのが、藍染をメインとするようになったのは?
イベント初出店の後、「おおさきなでしこ起業塾」という女性を対象とした起業塾に
参加し、講師の方に勧められたことがキッカケですね。母が藍染めをしていることを
話しましたら、「のぞみさんも、藍染めしたらいいんじゃない!?」と。でも、その頃
の母の作り方や作品には、興味無かったんですよね。図柄の趣味が母と違う。小さい頃
母親手作りの洋服も着ていたけど、子供心に皆と同じような服の方がいいなぁと思って
いましたし。
藍染めを勧めてくださった講師の方のリネンのシャツを、母のサポートを受けながら
染めさせて頂き。それが、初の染め商品でした。
―「なでしこ起業塾」受講後から、”起業”の形になってきた?
結果的にそうなのかなぁ。福祉のお仕事を辞めた時に退職金を頂き。それで1~2年位は
頑張れるだろうと、「ハッピーボタニカル」の立ち上げを考えるようになりました。
立上げ後は、川渡マルシェ、古川夏祭り、おおさき産業フェア、あきうクラフト手ん店
(てんてん)、そして田尻のハンドメイドフェスタなどなど、たくさんの人達とのご縁
のおかげで、たくさんのイベント出店ができましたし、色んなお店に商品を置かせても
らってます。つくづく、”人”に恵まれているなぁって、思います。
―2019年に、alataのお隣の「しあわせ美じゅつ店」さんで、個展も開催しましたよね。
はい。個展を開くにあたり、店主の方と色々お話しさせてもらい、「自分は何を表現
したいんだろう?」と考えるようになりました。個展を開いたことで、自分の知らな
かった自分が表現された、と思いました。同時に、商品が売れることに対して、それま
で感じたことのない”怖さ”というものも感じました。
―”怖さ”?
自分の名前が出ることに対して、というか、うまく言えないんですけど…。
自分の作品・商品に、皆さんの時間やお金を費やして下さることが、本当にありがたく
嬉しいんです。自分なりの精一杯で作ってはいるんだけど、自分の力はまだまだ未熟で
対価に見合っていないんじゃないか?と。
ありがた過ぎで、幸せ過ぎて怖いって、思いました。
―2020年には工房もオープンして、ワークショップも行っているんですよね?
そうなんです。まだまだ(工房内の)整理もしなきゃ、なんだけど(笑)
自分で染めてみたい物の持ち込みも、OKです。事前にご連絡をお願いします。
―ベースとなる”場”も出来て、これからの抱負は?
「自然と暮らす。四季を暮らしに。在るもので暮らす。」を通して、皆さんに、もっと
喜んで頂けるようなハッピーボタニカルを続けていきたいです!
―これから起業をお考えの方々に向けて、お願いします。
やりたいこと・好きなことを、やってみればいいと思います。動いてみることで、
思ってもいなかった”縁”も生まれるし。経験したことは、何らかの形で活かされま
す。例えば、私は福祉施設で就労していた頃、支援者や支援機関をはじめ色々なネット
ワークを作ることや、利用者さんからの話を引き出して聞くことも必要でした。
それらのスキルは、今の自分のためにも成っています。